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2015/11/27

知ってましたか? 12月11日は「タンゴの日」

何気ない1日でも、他の人にとってはとても大切な記念日だったりする。1年365日、世界を見渡すと様々な記念日があり調べてみると興味深いものもたくさんあります。そんななかで、今回ご紹介したいのはアルゼンチンの祝日「タンゴの日」。今では、ユネスコの世界文化遺産に指定されているタンゴですが、なぜ12月11日が「タンゴの日」なのか調べてみました。
 

フリオ・デ・カロ
1965年のある晩、作詞・作曲家・音楽プロデューサーのベン・モラール (Ben Molar)は、現代タンゴの生み親と呼ばれた偉大な作曲家でありバイオリン奏者でもあるフリオ・デ・カロの誕生日を祝うため、彼の家に向かう途中ある名案を思い付きました。

「そう言えば、かのカルロス・ガルデル(※)の誕生日も12月11日。そうだ!タンゴの発展に多大な貢献を果たしたアルゼンチンの国民的英雄二人の誕生日を記念して12月11日を「タンゴの日」にしよう!」

早速ベン・モラールはブエノス・アイレス市役所の文化課に提案書を提出し、多くの芸術団体に呼び掛け、同意を得ていきました。
 (※) タンゴの神様として知られる不世出のタンゴ歌手・俳優。
 
カルロス・ガルデル
それから11年。あれだけ駆けずり回って多くの賛同を得たのに起案書はお役所の引き出しの中に収まったまま…。
待ちきれなくなったベン・モラールは遂に"丁重な"抗議行動に出ます。これまで賛同を得てきた芸術団体、マスコミ、アルゼンチンでも指折りのスタジアム「ルナ・パーク」のオーナーからの協力を得て、大々的な「タンゴの日制定支援Cイベント」を企画。開催日が近づくにつれ高まる市民の熱に後押しされるかのように、イベント開催の12時間前、遂にベン・モラールは「12月11日をタンゴの日と制定する」政令が公布されたという知らせを受けます。
歓喜に包まれるスタジアムではイベントがスタート。当時を代表するミュージシャン、オルケスタ、歌手、多くのタンゴ関連者などが祝いに駆けつけました。この日78歳の誕生日を迎えたフリオ・デ・カロは、1万5千人の観衆からバースデーソングを贈られ感極まり涙したそうです。残念にもこの時がフリオ・デ・カロを舞台でみる最後の日となりました。
 
その後、ベン・モラールは文部省から同年に亡くなったタンゲーラ達を偲ぶ会を12月23日に企画して欲しいと依頼されました。その時、彼が出した交換条件が「ブエノス・アイレス市で制定されたタンゴの日を国民の祝日とすること」。そして、この年1977年12月19日、アルゼンチン国民の祝日として「12月11日はタンゴの日」と制定されました。
以来、タンゴの国外での人気が高まるにつれ、この「タンゴの日」も世界各地のタンゴファンの間で祝われるようになりました。